こんにちは、ソリ夫です。

先日宝塚歌劇団の宙組公演『王家に捧ぐ歌』という舞台を観に行ったのですが、この公演で『愛し合う者が死ななくても済むように』というセリフがありました(ちょっとちがうかも汗)

この作品は『アイーダ』が原作なので、敵同士の男女が恋仲になるという、いわゆる『ロミオとジュリエット』スタイルの作品です。

最後には二人は地下牢に生き埋めにされてしまいますが、その時に昔テレビでみた『ブルバナ橋の悲劇』を思い出しました。

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ブルバナ(ヴルバニャ)橋の悲劇

単語が多くてわかりにくかったので色をつけて整理してみました。
ピンク⇒ボスニア・ヘルツェゴビナ側(イスラム教徒)
ブルー⇒セルビア側(キリスト正教徒)

どのような事件だったかというと、、、

イスラム教徒であるアドミラセルビア人のボスコの二人は幸せな未来を夢見る若いカップルでした。 しかし、ある日独立を目指すボスニア・ヘルツェゴビナとそれを認めないセルビアとの間で内戦が勃発。 ボスニア・ヘルツェゴビナにはイスラム教徒が多く、その勢力が独立を目指したためでした。

当然セルビア人のボスコイスラム教徒のアドミラは敵同士となりました。 サラエボに住んでいたセルビア人たちはイスラム教徒に攻撃されることを恐れ次々に町を出ましたが、ボスコは愛するアドミラのためにサラエボに残りました。 それどころかボスニア・ヘルツェゴビナの軍に志願し同じセルビア人に銃を向ける道を選びました。

しかし、その思いもむなしくセルビア人である彼は、周りのイスラム教徒から懐疑の目を向けられ、ついにはスパイ容疑で警察から出頭を命じられてしまいます。

セルビア人である自分が身の潔白を証明する方法はない・・・』

そう考え、追い詰められてしまったボスコは、アドミラと二人でサラエボを出ることにしました。 ただ、イスラム教徒である彼女セルビア側に行くということは自ら敵の中へ行くということです。 しかも当時のセルビアではイスラム教徒の虐殺が常態化していました。

すなわち、アドミラにとっては死にに行くのも同然ということです。 それでも彼女はボスコとともに行くことを選びました。

脱出当日、二人はセルビアイスラム両陣営の間に横たわるブルバナ橋の入り口にいました。 そこには両軍のスナイパーが多数配置され、死と隣り合わせの戦場でも最も危険といわれる地帯でした。 しかし、セルビア軍が町全体を包囲していた為、脱出するにはその橋を渡るしかなかったのです。

二人は手をつなぎゆっくりと橋を渡り始めました。 橋の長さは約50メートル。 その先には二人で暮らせる場所があると信じて歩き始めたことでしょう。

橋の半ばまで来たとき、恐怖からか二人は走り出してしまいます。 その刹那、一発の銃声が響きました。 ボスコが撃たれ即死しました。 そのすぐ後、アドミラも撃たれましたが、彼女は即死せず何とか這ってボスコの許へたどり着き、彼の腕を握って息絶えました。

二人の遺体は8日間放置され、その後埋葬されました。 結局どちらの陣営の誰が狙撃したのかは現在も不明のままです。 国際的に非難を浴びた両陣営は責任から逃れるためお互いを非難しあいました。 戦争の極めて醜い部分を世界に知らしめたできごとでした。

ちなみにこの橋は『ロミオとジュリエット橋』とも呼ばれるそうです。

(※MAPでは『スアダとオルガ橋』という名前になっています。 この二人は紛争の最初の犠牲者だったそうです。 この橋で起こった悲劇はボスコとリュドミラだけではなかったんですね。)

お互いに敵対し合う勢力に翻弄される恋人たちという状況はフィクションでよく見られるシチュエーションです。 しかし、現実に起こった事件を知るとそれがいかに理不尽で許しがたいことか、心から理解できる気がします。

また、『王家に捧ぐ歌』では『戦いは新たな戦いを生むだけ』という歌があります。 現実の世界においてもまさに同じことが起こっています。 先ほど解説した紛争はボスニア・ヘルツェゴビナが独立するという形で一応の終結を見ました。 しかし、このボスニアでの民族紛争は隣のコソボに飛び火しました。 こちらでも同じくセルビアからの独立をめぐって紛争が起き、いまだに戦闘が発生しています。 こうした事実を鑑みると歌詞の重みに心が痛みます。

余談

余談になりますが、このサラエボという町は、セルビア人の青年ガブリロ・プリンツィプオーストリア皇太子フランツ・フェルディナンドを暗殺し、第一次世界大戦の一因を作った場所でもあります。
ちなみにこのフランツ・フェルディナンド大公のおばは『エリザベート』のエリザベートで、いとこは『うたかたの恋』のルドルフです。

また彼らはハプスブルグ家の人々なので、マリー・アントワネットやマリア・テレジアにもつながります。

ヨーロッパの歴史をもっと勉強したら舞台を違った角度から見れるかもしれませんね。 本でも買ってみようかなぁ・・・。

それでは!!

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