9月16日(土)に宝塚大劇場にて宙組公演『神々の土地』『クラシカル ビジュー』を観劇してまいりました(゚∀゚)

ミュージカル・プレイ『神々の土地』~ロマノフたちの黄昏~

今回は宙組トップ朝夏まなとさんの退団公演ということで気合入れて観劇しに行きました!! 東京公演はチケット取れなかったのでこの大劇場での公演がまーくん、そしてうららちゃんを見れる最後のチャンスでした(´;ω;`)

あらすじ

1916年、ロシア革命前夜。帝都ペトログラードで囁かれる怪しげな噂。皇帝ニコライ二世と皇后アレクサンドラが、ラスプーチンという怪僧に操られて悪政を敷いている——。折からの大戦で困窮した民衆はロマノフ王朝への不満を募らせ、革命の気運はかつてないほどに高まっていた。
皇族で有能な軍人でもあるドミトリー・パブロヴィチ・ロマノフは、皇帝の身辺を護るためペトログラードへの転任を命じられる。王朝を救う道を模索する彼にフェリックス・ユスポフ公爵がラスプーチン暗殺を持ちかける。時を同じくして、皇帝から皇女オリガとの結婚を勧められるドミトリー。しかしその心を、ある女性の面影がよぎって…
凍てつく嵐のような革命のうねりの中に、失われゆく華やかな冬宮。一つの時代の終わりに命燃やした、魂たちの永遠の思い出。

宝塚歌劇公式HPより

感想

史実を脚色した作品というだけあって非常に重厚な物語でした。 結末は決して明るいものとは言えませんが、創作の様なあからさまな悲劇はなく淡々としているドキュメンタリー調とも言えるかと思います。

革命へと転がっていくロシアを表現

途中民衆が蜂起するシーンのバックにあった赤カーテンをソビエト国旗に見立て、ライトで鎌とハンマーのシンボルが映し出されたとき背筋がゾクッとしました(゚Д゚;) また前半部の酒場のシーンで、楽しく盛り上がっていたはずの民衆が段々と狂気じみていく演出も素晴らしかったです。 巨大な歴史のうねりに皇帝や貴族ですら飲み込まれてしまう様を舞台上でしっかりと描いていた様に思います。 押し寄せる急流は止められはしないのです。

まーくんがスバラシイ!!

主演のまーくんは本当に素晴らしいジェンヌさんですね。

歌もダンスも演技も大好きです。 ロシアの雪原に見立てたセットにたたずむまーくんとうららちゃんの美しいことといったら!! デュエットダンスも幻想的でした(*’▽’)

ちょっとマニアックな話になってしまいますが、最初の雪原のシーンでハンティングをしているドミトリーが手にしている銃は中折れ式水平二連ショットガンと呼ばれる種類の散弾銃です。 この銃は2発しか弾が入らないのですが、劇中でもちゃんと2発ごとに弾を詰めなおしていたところに感動しました。

しかもちゃんとグリップ上部のレバーを操作して銃身を折り、弾を込めるしぐさをしていました。 そのアクションもとても様になっていましたよ。 まーくんすばらしい!!

嫁が大喜びしていたポイント

地味なところではラスプーチンと宮殿で言い合ったあと、フェリックスが『皇太后主催の舞踏会には来てくれよ』的なことをドミトリーにいうのですが、ここで手をギュッと握ってから去っていくんですよ。

これはホモォ的な演出なんでしょうかね? 妻が大変喜んでおりました笑

実際ドミトリーもフェリックスも結構な美男子だったそうで、特にフェリックスは女装趣味もあったとか。  キャラ濃すぎィッ!!

アレクサンドラについて

りんきらさんの皇后姿がとても美人で最初誰だかわかりませんでした笑

このアレクサンドラ皇后は史実でもドイツの貴族の血を引き、さらになんとあのヴィクトリア女王の孫でもあるという女性で、その海外出身という出自からロシアになじめず、また馴染もうともしなかったそうです。

姑であるマリア皇太后もデンマークから嫁いだ海外出身の皇后でしたが、こちらは明るく社交的な性格と美貌の持ち主であったことも手伝ってロシア国民からも人気があったそうです。

しかし、アレクサンドラとマリアは非常に折り合いが悪く、結局アレクサンドラはその姿勢を見習うことも無かった訳ですね。

この海外出身の皇后の葛藤というテーマは宝塚歌劇の演目でも取り上げられていますよね。

『ベルサイユのばら』のマリー・アントワネットもその一人で、特にフェルゼン編でクローズアップされていたと思います。

また『グスタフ3世』のソフィア・マグダレーナとエカテリーナ2世もこの葛藤を劇中で話し合っています。

どのキャラクターも劇中では覚悟を決める(もしくは決めている)女性として良い描き方をされていますが、今回のアレクサンドラはその限りではありませんでした(´・ω・`)

まあ、近年再評価の動きもあるマリー・アントワネットはさておきソフィア・マグダレーナも史実ではあまりいい評判は機聞かない様ですが・・・。

史実との主な相違点

  • 史実ではイリナとアレクサンドラは姉妹ではありません。 またアレクサンドラはドイツから嫁いだとされていますが、母親が早逝したのち祖母のヴィクトリア英国女王に育てられたためほぼイギリス人です。 またイリナに至ってはロシア生まれのロシア人ですのでドイツとは無関係どころか、父方も母方もロシア皇帝の家系です。
  • イリナはロシア革命後も生存しています。 赤軍によって一時セバストポリに幽閉されますが、イギリス軍の軍艦『マールバラ』によってフェリックスや娘のイリナ・ユスポヴァとともに救出され国外へ脱出しています。  ちなみに2014年の月組公演『THE KINGDOM』ではフィクションながらロシア皇族を救出しようとするイギリス人の姿が描かれています。
  • イリナとフェリックスはラスプーチンの暗殺前から結婚しており、暗殺実行時にイリナと引き合わせることをラスプーチンを呼び出す口実に使ったそうです。 フェリックスとイリナは50年にわたり幸せな結婚生活を送ったそうです。

歴史関係の作品だとついつい蛇足が過ぎて文章が長くなってしまいますね汗 反省です(´・ω・`)

レヴューロマン『クラシカル ビジュー』

うーむ、個人的には印象に残るシーンがあまりなかったです・・・(;´・ω・)

自分の好みが大介ショーだからなのかもしれませんが、この間の『HOT EYES!!』に比べるとちょっとインパクト不足感が否めません。 メインテーマももうすでに忘れてしまいました汗

ただその中でも黒燕尾のカッコよさは抜群でした!!

ホルストの『木星』に合わせて大階段から宙組の面々が下りてきて規則的にフォーメーションを変えていく様は、宇宙をテーマにした音楽とも相まって壮大でインパクトのある構図でした(゚∀゚)

しかも、この時の音楽には一瞬『火星』もアレンジされて組み込まれているのが非常によかったですね。 ここは結構興奮しました。

あとは、『朝日の当たる家』という曲が劇中で使われているのですが、この曲のイントロを聞いたときに「あ、あの曲だ・・・」と思ったところ、アレンジされた歌いだしの歌詞が『日の当たらないところにとじこめられて・・・』だったので、内心「朝日当たらないんかーい」とズッコケました笑

ただ、原曲の朝日の当たる家は刑務所とも少年院のことだともいわれているので、あながち間違ってはいないところがまた興味深い・・・。

最後パレードが終わって幕が閉まるとき、まーくんとうららちゃんを大劇場の舞台で見れるのもこれで最後かと思うと、とても切ない気分になりました。 東京公演のチケット、オクで買ってしまおうかな・・・。

それでは!!

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