こんにちは、ソリ夫です!!
もう一か月経ってしまって今更感があるんですが、花組公演ミュージカル・ゴシック『ポーの一族』のレビューです(・∀・)
キャスト
- エドガー・ポーツネル・・・明日海りお
- シーラ・ポーツネル男爵夫人・・・仙名彩世
- アラン・トワイライト・・・柚香光
- フランク・ポーツネル・・・瀬戸かずや
- メリーベル・・・華優希
作品概要
1972年に「別冊少女コミック」に第1作目を発表以来、少女まんがの枠を超えて幅広い読者を獲得してきた、漫画史上の傑作・萩尾望都の「ポーの一族」が宝塚歌劇に登場する。
永遠に年を取らず生き永らえていくバンパネラ“ポーの一族”。その一族に加わったエドガーが、アランやメリーベルを仲間に加え、哀しみをたたえつつ時空を超えて旅を続けるゴシック・ロマン。同作品をミュージカル化したいと夢見て宝塚歌劇団に入団した小池修一郎が、1985年に「いつか劇化させて欲しい」と申し出て以来30年余り、萩尾望都があらゆる上演希望を断り続けた幻の舞台が遂に実現する。(宝塚歌劇公式HPより)
感想(ネタバレあり!!)
みりおさんのスバラシイ原作再現度
一応観劇前に原作を読んでいったのですが、劇場で明日海りおさんのエドガーを見てビックリ!! 原作から飛び出してきたかの様な高い再現度で、エドガーの美少年っぷりを見事に演じていました。 また、悩める少年という役どころが結構はまっていて、明るくふるまう時もありながらどこか影のある感じの演技は見事でした。
超駆け足で展開する前半
原作は200年にわたるエドガーの人生(?)を描いた大作ですので、これを2幕のミュージカルに落とし込むにはどうしても圧縮が必要になるのは仕方のないことです。 前半は怒涛の勢いで話がすすみます。 特にメリーベルがエドガーと別れて再会するまでの流れはかなり駆け足でした。
『オズワルドと恋に落ちるも腹違いの兄妹でした』⇒『オズワルド、父違いの弟ユーシスにメリーベルを託す』⇒『ユーシスの母親が交際に猛反対』⇒『ユーシス自殺』
恋人が実は兄弟だったり、その次の恋人が自殺したり・・・と結構大きな事件の連続ですけが、実際に舞台上でこの展開に掛けられた時間はというと、
ものの数分( ゚д゚ )
オズワルド、ユーシス、伯爵夫人の三人の登場時間は数十秒~数分でございました汗 登場人物が誰かもよくわからいまま、あれよあれよという間にメリーベルが不幸のどん底に笑
しかし、前半は駆け足だったものの後半はアランとの友情の芽生えやアランとメリーベルの下りなどもちゃんと描かれていますのでご安心を!!
『異物の排除』という人間の本能に対するアンチテーゼ
昔話などに登場するいわゆるバンパイアは、超人的な力があって木の杭か銀の銃弾でなければ殺されない上、人的被害のことなど考えずに童貞と処女はバンパイアに、その他はグールに変えていってしまう全くのモンスターです。
一方で本作に登場するバンパネラは、不老ではあるものの不死とは程遠い存在です。 例えばシーラは鋤で突かれただけで死んでしまいますし、フランクも原作では馬車の下敷きになって死んでしまいます。 バンパネラはバンパイアと同じ様に人間の血を吸ったり、もしくはエナジーを吸い取って生きています。 しかし、人間をバンパネラ化させずに血を吸うこともできますし、殺さずにエナジーを吸うこともできます。 バンパネラ自身もこの能力を使って、ひっそりと人目につかない様に暮らしてきました。 要は人間の脅威となる様な存在ではなかったのです。
しかし、劇の序盤で村の住民たちはバンパネラが存在すると知るやその館に大挙して押し寄せ問答無用で片っ端から殺してしまいます。 相手がバンパイアの様に強力で残忍な存在であったならその討伐は正義と言えたでしょう。 でも、それがバンパネラの様なか弱い存在であったなら、客観的に見て虐殺でしかありません。 そこには理屈も正義も見出せません。
人間の歴史には常に差別が存在してきました。 その原因は宗教であったり、肌の色であったりと様々でした。 何かが違うというだけで弱者が理不尽に虐げられる歴史が繰り返されてきました。 『ポーの一族』では主人公をバンパイアの様な強力な存在ではなく、あえて弱い存在として書くことで観客の共感を呼ぶことに成功していると感じました。
と偉そうなことを書いてみました笑 とにかく結構考えさせられるテーマだったのは間違いありません。 また華のあるジェンヌさんが多い花組ですから、どの場面を切り取っても美しい舞台でした。 明日海体制の花組も円熟を迎え、2番手のれいちゃんの演技も安定感を増し、組として今一番脂がのっている感じが致しました(´∀`) 次の演目も楽しみですね~
それでは!!