こんにちは、ソリ夫です。
11月2日に花組公演『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』『シャルム!』を観劇してまいりました。 『みりお』こと明日海りおさんの退団公演です。 心して観てまいりましたので感想をば。
Musical『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』
作品解説
“青い薔薇”この世には存在しない禁断の花…。
宝塚歌劇公式HPより
自然界の掟に背いた罪で、闇と孤独の中に閉じ込められた“青い薔薇の精”。過ぎ行く時の中で、彼の心に残ったものは…。
19世紀半ば、産業革命による経済の発展で空前の繁栄を誇る大英帝国。世界初の万国博覧会が大成功を収めたロンドンでは、科学の進歩がもたらした品々が人々の消費熱を煽り、異国からの珍しい植物が大ブームとなっていた。
ある深い霧の夜、植物研究家のハーヴィーは、枯れ果てたウィングフィールドの屋敷の庭で”青い薔薇の精”と名乗る男と出会い、かつてこの屋敷に住んでいたシャーロットという少女にまつわる話を知ることになる。それは、現実に起こった事なのか、それとも…?
人々が現実だと信じている世界と目に見えない異次元の世界とを交錯させながら描く、大人の為のほろ苦く温かなオリジナル・ミュージカル。人間離れした美しさを漂わせる“青い薔薇の精”に挑む明日海りおが、耽美的で幻想的な世界に誘います。
キャスト
- 薔薇の精エリュ:明日海りお
- シャーロット・ウィールドン:華優希
- ハーヴィー・ロックウッド:柚香光
- ディニタス:高翔みず希
- メアリー・アン:芽吹幸奈
- オズワルド・ヴィッカーズ:瀬戸かずや
- Mr.ディケンズ:冴月瑠那
- 精霊ダンサー:冴月瑠那
- クラルス:白姫あかり
- 女教師:鞠花ゆめ
- ディビッド・ブラウン:航琉ひびき
- Mysterious Old Lady:美花梨乃
- 精霊ダンサー:舞月なぎさ
- オリヴァー:和海しょう
- 愛人:華雅りりか
- ギルバート・カーライル:羽立光来
- ニック・ロックウッド:水美舞斗
- イヴリン:真鳳つぐみ
- Mysterious Lady:乙羽映見
- ケヴィン・グリフィス:優波慧
- アウラ:更紗那知
- ボヌス:千幸あき
- フローレンス・ウィールドン夫人:城妃美伶
- ネリー・グリフィス:春妃うらら
- エドモンド・ウィールドン子爵:紅羽真希
感想(※ネタバレあり!!)
薔薇と精霊にまつわるファンタジーです。 この作品には目に見えるものがすべてではないという思いが込められているそうです。 作・演出の植田景子さんが公式HPで語られていますが、大人になると目に見えるものにいっぱいいっぱいで子供のころに見たり聞かせてもらった夢やおとぎ話というものを忘れてしまいがちです。
舞台が19世紀イギリスになっていますが、この時期の世界もまた産業革命によってもたらされた急激な発展の中で、科学や経済合理性が絶対視される様になり始めた時代です。 作中ではそういった価値観の人々が精霊たちから『想像力がない』といわれています。 主人公のハーヴィーもその一人でしたが、実際に存在しないハズの青いバラや精霊たちを目にしたことで徐々に価値観が変わっていきます。
ストーリーはシャーロット(華優希)がかなり壮絶な人生を送っているので終始ハッピーとまではいきませんが、最後はハッピーですし、ひどい悪人が出てくるわけでもないのでメンタルをやられることなく見ることができました笑 感動モノの作品とかだと、主人公が一回落とされたりするところで気が参っちゃうんですよね・・・。 その点についてはこの作品は安心です。
色々書きましたが、作品見終えて一番印象に残っているのは、やはりみりおちゃんの美しい立ち姿と儚げな演技です。 みりおちゃんは見た目は正統派な麗しさに満ち満ちていますが、シリアスからコメディまで色々と演じられる巧者です。 中でもどこか影のある人物が非常にマッチする様に思います。 ちょっと前になりますが、月組時代のベルばらのアンドレとか最近だとポーの一族とか、背負ってるものを表情や立ち姿で表すのが非常にうまい方だなと思うのです。
今回もエリュは自らの罪で花園を荒廃させてしまった罪を背負っています。 青い衣装と相まって、その責任にさいなまれながら立つ姿はみりおちゃんの集大成ともいえるのではないでしょうか。
蛇足ですが、僕の邪推&聞いた話では、霧は霧矢大夢さんだったり蘭は蘭寿とむさん・蘭乃はなさんだったりとみりおちゃんと関係のある人を想起させる様な演出が散りばめられている気がしますね。
小物とか仕掛けとか
- 謎の老婆の杖にとまってる鳥が動いてるんですよね・・・。 あれどういう仕掛けになってるんだろう。
- ヴィッカースの研究所に精霊たちが現れるときにいろんなところから出てきます。 中には戸棚の小さい扉から出てくる精霊も笑 ちょっとタンスから出てくるトート閣下を彷彿とさせますね笑
- 研究所にあるバラをエリュが一瞬で枯れさせます。 ここのギミックも面白いので一見の価値ありです。
レヴューロマン『シャルム!』
フランス語で、魅力、色香、魔法、呪文などを表す言葉“シャルム”。花と光の都パリに眠る、妖しくも人の心を惹きつける地下都市を舞台に繰り広げられるレヴュー。作品毎に様々な姿に変容し圧倒的な魅力を放ち続ける明日海りおを中心とした個性豊かな花組が、気品溢れる華やかさ、官能的な美しさ、暗闇から光を目指す希望などを舞台に織り成します。
宝塚歌劇公式HPより
感想
コンセプトを聞いたとき正直『なんで地下やねん』と思いました笑 でも言われてみれば地下世界ってわくわくする舞台ですよね。 また前半のミュージカルが妖精の世界の話ですから、現実と切り離された世界を舞台にしたのかもしれませんね。
黒燕尾が超カッコイイです。 曲もかっこいいし、ダンスもかっこいいです。
あと、たしか黒燕尾のあとにみりおちゃんが一人で踊っているところに、瀬戸かずやさん、水美舞斗さんが訪れて別れの挨拶をするかの様にデュエットダンスをして去っていくというシーンがあります。 そのあと、柚香光さんが来るんですが、その中でみりおちゃんがそっとれいちゃんの背中を押してあげるというシーンがありとても感動しました! 見知らぬとなりの方もハンカチで目頭を押さえてると思ったら、反対側の方は大号泣!! うん、でもわかる!すごくわかる!! 僕はさすがに泣きはしませんでしたが、月組時代からずっとみりおちゃんを応援している方だったら絶対泣くわ!!
そんなわけでみりおちゃんの宝塚最後の雄姿をこの目に焼き付けてまいりました。 人生で2回目の宝塚観劇が月組の『ベルサイユのばら』でその時のアンドレが明日海りおさんでした。 ちょうど自分が宝塚ファンになったタイミングで不世出のトップスター『明日海りお』を見れたことは本当にうれしいことでした。 これからのご活躍にも期待ですね!!
それでは!!